Taro
Tsurumi
『ユダヤ人の歴史』(中公新書)重要カタカナ語解説
複数回登場し、初出がどこか見失いやすいカタカナ語の簡単な解説一覧(五十音順)です。多くは目次のなかのどこかに入っている語です。これ以外のカタカナは適当に読み飛ばしても論旨の理解にとくに支障はありません。
※拙著の訂正一覧はコチラ
-
アケメネス朝:前6-前4世紀のペルシア帝国。バビロニアを征服し、捕囚されていたユダヤ人を結果的に助ける。
-
アシュケナジーム:ドイツ系。おもにドイツ以東のヨーロッパに広がった。
-
アッバース朝:8-13世紀、ウマイヤ朝の後のイスラーム王朝。その統治下でイスラームが一気に拡大した。
-
イディッシュ語:ドイツ語を基にし、ヘブライ文字で書く東欧ユダヤ人の言語。
-
ウマイヤ朝:7-8世紀、初期のイスラーム王朝。
-
カナン:パレスチナ地域を中心とする、古代のユダヤ人の根拠地。
-
カバラー:神秘主義的なユダヤ教の教え。
-
カハル:近世ポーランド王国のユダヤ共同体自治機関。
-
カロ(ヨセフ・カロ):法典『シュルハン・アルーフ』を編纂したことで知られる16世紀のスファラディームのラビ。
-
コンベルソ:キリスト教に改宗したユダヤ人。
-
ササン朝:3-7世紀のペルシア帝国。ゾロアスター教が国教。
-
シナゴーグ:ユダヤ教の会堂。祈りや集会、学びの場。位置づけや機能は教会よりモスクに近い。
-
スピノザ:17世紀のオランダで活躍した哲学者、ユダヤ教の伝統から脱却した思想家。
-
スファラディーム:スペイン系。おもにオスマン帝国やオランダに広がった。
-
セイム:ポーランドの議会。
-
タルムード:ミシュナー(下記)の注釈集で、4世紀と6世紀にそれぞれエルサレム版とバビロニア版が完成。ラビ・ユダヤ教の基礎文献。
-
トーラー:聖書の最初の五書およびそこに記された教え、律法(本書では「律法」で統一)。
-
ハシディズム:神秘主義的なユダヤ教の一派。
-
ハスカラー:ユダヤ啓蒙主義。
-
バビロニア:古代メソポタミアの地域で、中心都市バビロンは現在のイラクのバグダードに近い。
-
バビロン捕囚:ユダヤ人が紀元前586年にバビロニアに強制移住された出来事。
-
ハラハー:ユダヤ教の法律や規則。律法からラビたちが(タルムード以降はタルムードも参照しながら)合議して導き出す。イスラームのシャリーアに相当。
-
ヘブライ語:伝統的にはユダヤ教の聖書や祈りに使用されてきた、現代イスラエルの事実上の国語。
-
マイモニデス:12世紀ごろのイスラーム世界で活躍したラビ・哲学者・科学者。
-
マラーノ:表向きは改宗するも隠れてユダヤ教を守り続けたユダヤ人。
-
ミシュナー:聖書の律法(トーラー)に加え、口伝の律法をまとめた文書で、後200年ごろ編纂。
-
ミッレト:オスマン帝国における宗教的少数派の共同体やまとまり。
-
メシア:ユダヤの王。救世主のニュアンスも。王国消滅後のユダヤ教ではまだ現れていない。
-
メソポタミア:古代文明が栄えた地域で、現在のイラクを中心とした地域。
-
ラディーノ語:スペイン語起源のスファラディームの言語。ユダヤ・スペイン語。
-
ラビ:ユダヤ教の導師・法学者。古代末期から中世にかけてユダヤ教の中心的存在になり今日に至る。
-
律法(カタカナではないですが…) → トーラー